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主幹事が変わるというのはどういうこと、という話。

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今からおよそ1年前、証券業界で大きな動きが起きた。gumiの主幹事を、野村證券大和証券から奪い取ったのである。

記事中にもあるとおり、主幹事証券が変わるというのはそうない。

主幹事が変わる理由というのは様々である。もとの主幹事がだらしない、担当者がクソ(多くの場合は担当変更で済むが)、なんかむかつく、的な「ダメな証券会社のせい」と、「我が社は公正な取引環境云々かんぬん」で案件ごとにBCを仕掛ける「真面目すぎる事業会社」のせいと、「銀行から脅迫された」という「下品な銀行」のせいと、そして「内部に問題を抱えているから証券会社に逃げられてしまった」という「事業会社」のせい、と思いつくだけでもこれだけある。

今回は大和から野村なので最後のパターンは限りなく可能性としては低い*1のだけど、いずれにせよ一回決まっていた主幹事証券が変わるのはのっぴきならない「何か」があったということだ。(例えばよほどのことを大和がやらかしたか、野村が凄まじい営業攻勢をかけたとか。今回はたぶん、事業会社の担当者が後者に根をあげたのだろう。何でも凄まじい営業担当者は新聞記者のごとく夜討ち朝駆けが基本だとか。まさにヘトヘト。)

ちなみに、変更は変更でも真っ黒を連想させるのは監査法人が変更するパターンだ。特にもともと3大が担当していたのに聞いたこともないような監査法人に変わったというのはそのニュースだけで空気がピリッとするものである。

ところで、ここの社長はこれからイケイケですよ的なことを自らのTwitterに書いていたそうだが、上場会社のカイジの観点でいうと時と場合によっては最悪の発言であり、同社のIR担当者と野村の公開引受担当は震えたのではないか。この会社に限らず、いつか近い将来、社長やら経営陣が適当にTwitterで言ったことを会社が翌朝に「当社が発表したことではありません」と否定プレスを出す日が来るのかというと今から胸熱であります。

おそらく大和の営業担当者は宿敵の野村に主幹事を奪われるという大失態を犯したのでどこか冴えない老人しかいない部署に飛ばされたのだろうが、このニュースをきっかけに「むしろ逃してくれてありがとう」的なよくわからないけどそれどう解釈したらいいの?みたいなことになって、どこかのフロント部署に返り咲きができるかもしれないので、一担当者の人生が元の軌道に戻るという意味ではよしとしようではありませんか。

*1:野村の方が大和より審査は厳しいから